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横を向いて歩こう
第1章 誠か誠以外か
「おい顔、顔、、。」

会社で事務処理をしていると
横から同僚の声がする
眉間にシワが寄っていたらしい

「顔?」

手を止めず彼の方も見ずに答える

「おいっ、」

肩に手がかかる

「うるさいわねぇ。」

やっと松下の方を見る

「少しは休めよ。」

「休んでる。」

ため息が出た

「大丈夫か?」

「納期は守るわよ。」

聞いてるのは仕事のことじゃないことは分かっていた

まだ新婚の頃松下を家に招いたことがあって
なぜか二人はその場で意気投合して
共通点が無いように見えるから意外だったんだけど
だからあたしたちの離婚は松下もショックだったらしい

「有休まだ残ってるだろ。」

「今は気を紛らわせたいの。休んだって塞ぎ込むだけよ。」

「飲みにでも行くか?」

松下は最近三人目の子供が生まれたはかりだ

「帰んなさいよ。」

「じゃあ飯は?」





結局あたしが折れて定食屋に来ていた

「俺焼き魚、お前は?」

「同じので。」

松下と昼休みによく来る店だ
誠とも良く来たな

「ちゃんと食べてんのか。」

「奥さんに遅くなるって連絡した?」

質問には答えないあたしに苛ついたらしく
松下は煙草を取り出す

「良いなぁ帰る家があって。」

「うちに来るか?」

「行かないわよ。」

今ファミリー感を見せつけられても
発狂するだけだ

「お前さ、別れたんならけじめつけないと。」

いきなりお説教?

「あたしたちは別れても良き友人として、」

「会うのはよせってこと。」

何言ってるの?

「誠が嫌がってないなら良いじゃない別に。」

「お前はよくてもさ、、。」

煮え切らない松下の言い方にピント来た




定食が運ばれてきて二人で焼き魚をつつく

「お前に言おうかどうか迷ったんだけど、」

「もう、次が居るのね。」

じゃあどうしてあたしを受け入れるの?
ちゃんと突き放せばいいのに
これじゃ飼い殺しだわ

「誠くんは、お前を放っておけないんだよ。分かるだろ?だけど、もう自由にしてやれよ。」

あたしはもう泣かなかった

むしろ流してきた涙が一気に渇いて
同時に全身に力が漲っていくのを感じる

諭してくれた松下に感謝しながらも
次の新しい人生について考えを張りめぐらすのであった



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