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横を向いて歩こう
第2章 1人乗りの人生
「あー、、、。幸子には黙っとこうと思ったんだけどさぁ。」
親友の真由とランチに来ていた
彼女はあたしの男遍歴を短大時代からずっとそばで見てきた
あたしが誠と結婚するってなったとき一番驚いたのが真由で
今まであたしが付き合ってきた人とは
全くタイプも違うし
「誠さん、あれでも結構妬いてたと思うよ。」
いざ一人になってみると
みんなぶっちゃけてくれるから面白い
そして実は知らないのはあたしだけってことも多い
「幸子が松下さんとよく飲みに行ってたじゃん?」
「あーなんだ。まっつんか。」
あたしの中では松下は何をするにもノーカンだった
異性と飲みに行く感覚にはカウントしたことがない
「自覚がないのが重症だわ。」
「仕事上仕方ないもん。」
今や松下は昇進して二人で外回りや出張は減ったが
入社以来、あたしたちは二人で組んで仕事をすることが多かった
馬が合うのだ
というか合わせるしかなかった
業務量に食らい付いていくのが必死で
そして弾みで寝てしまったのも運の付きだった
馬だけでなく肌も合うのだ
それからはなんとなく通じあってしまう感覚に感心しつつも、お互い別なパートナーが居るという歯止めで、その後不倫に陥るとかいうドラマはなかった
松下がその後も誘ってきたりせず
普通に仕事仲間として接してくれたのはありがたかったし
あたしもあたしで誠と知り合って幸せだったからちょうど良かったのだ
「一度誠さんに聞かれたことがあってさ、幸子と松下さんて、お似合いですよねって。あたし何て答えていいやら。」
その時の誠の顔を想像する
きっと穏やかな顔だったと思う
嫉妬心なんて1つも見せない人だったから
「男は嫉妬深いのよ。次は気をつけなさいよ幸子。」
「次?」
あたしに次なんてあるのかしら
「二度あることは三度あるって言うでしょ。」
「ないない。一人の自由は何にも代えられないもん。」
あたしの脳内にはまだ誠が居て
もう次居るって分かっててもまだ居て
匂いや体臭や汗の匂い
何もかもまだ忘れるなんてできない
よく散歩した公園
彼の好きなコンビニのフライドチキン
体温も朝規則正しく起きるところも
何もかもがあたしを縛っていた
親友の真由とランチに来ていた
彼女はあたしの男遍歴を短大時代からずっとそばで見てきた
あたしが誠と結婚するってなったとき一番驚いたのが真由で
今まであたしが付き合ってきた人とは
全くタイプも違うし
「誠さん、あれでも結構妬いてたと思うよ。」
いざ一人になってみると
みんなぶっちゃけてくれるから面白い
そして実は知らないのはあたしだけってことも多い
「幸子が松下さんとよく飲みに行ってたじゃん?」
「あーなんだ。まっつんか。」
あたしの中では松下は何をするにもノーカンだった
異性と飲みに行く感覚にはカウントしたことがない
「自覚がないのが重症だわ。」
「仕事上仕方ないもん。」
今や松下は昇進して二人で外回りや出張は減ったが
入社以来、あたしたちは二人で組んで仕事をすることが多かった
馬が合うのだ
というか合わせるしかなかった
業務量に食らい付いていくのが必死で
そして弾みで寝てしまったのも運の付きだった
馬だけでなく肌も合うのだ
それからはなんとなく通じあってしまう感覚に感心しつつも、お互い別なパートナーが居るという歯止めで、その後不倫に陥るとかいうドラマはなかった
松下がその後も誘ってきたりせず
普通に仕事仲間として接してくれたのはありがたかったし
あたしもあたしで誠と知り合って幸せだったからちょうど良かったのだ
「一度誠さんに聞かれたことがあってさ、幸子と松下さんて、お似合いですよねって。あたし何て答えていいやら。」
その時の誠の顔を想像する
きっと穏やかな顔だったと思う
嫉妬心なんて1つも見せない人だったから
「男は嫉妬深いのよ。次は気をつけなさいよ幸子。」
「次?」
あたしに次なんてあるのかしら
「二度あることは三度あるって言うでしょ。」
「ないない。一人の自由は何にも代えられないもん。」
あたしの脳内にはまだ誠が居て
もう次居るって分かっててもまだ居て
匂いや体臭や汗の匂い
何もかもまだ忘れるなんてできない
よく散歩した公園
彼の好きなコンビニのフライドチキン
体温も朝規則正しく起きるところも
何もかもがあたしを縛っていた