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横を向いて歩こう
第2章 1人乗りの人生
「ねぇねぇ営業の三原さんって知ってる?」

デスクに戻って早速聞いてみる

「既婚者だぞ。」

あたしの最近の激化した恋活を知ってか知らぬか
松下が釘を指す

「いや、別に狙ってるとかじゃなくてさ、視野を広げてみようとね。」

「仕事しろ。」

つまんないの

つれない松下を尻目に
あたしは他部署に用事を思い付いては廊下をうろうろした

意外と男性が居るものだ

好みの人も居なくはなかったがちゃんと薬指に輪がはまっているのを見てがっかりする

いい人にはちゃんとパートナーが居るんだわ
職場で次探すなんてやめとこ




その夜は接待があって
取引先と別れていつものように松下と一杯引っかけてから帰ろうとしたのだが

松下が珍しく酔って気分が悪そうだったのであたしの家に連れて帰った

深い意味とかなくて
ただ単純に正常に戻してから帰さないとという善意だった

ソファに座る彼に水を渡す

「狭いな部屋。」

「一人だからね。」

実家に帰ることも出来たが
あたしは無理してでも一人で暮らしたかった
せめてもの意地だったと思う

「でもお前らしいな。この古ぼけた感じが。」

あたしはインテリアを凝ったりするタイプではない
住めればどこでも良かった

「防犯とかちゃんとしてんのか?」

回らない呂律で松下が聞いてくる

「親みたいだね。」

あたしもルームウェアに着替えて横に座って暖かいお茶を飲む

「俺もお茶。」

「はいはい。」

不意に誠の事を思い出してしんみりした
二人で並んでお茶飲んでた頃があったな

松下の横顔を見る
こうしてまじまじ見ると犬みたいだ

「男前ね。」

「俺?」

「うん。あまり顔をしっかり見ることないからさ。」

松下がお茶を飲み干す
酔いは冷めたようだ

「お茶淹れるの上手だな。」

「あらどうも。」

「少しは立ち直った?」

本題に入る
この人には一番に話を聞いてほしい

周りの人は勿論気遣ってくれる
だけど所詮は他人事で
みんなあたし一人に構ってられないし

誰かに聞いてもらいたいのに

あたしはいつの間にか泣いていた




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