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北の軍服を着た天使
第2章 Episode 2
「報告するなら、してくれたら良い。」
「……。」
「でも、李。これだけは覚えておいてくれ。俺は決して共和国の事も父親の事も憎んでいない。」
「むしろ、愛しているから次の外貨稼ぎの場所に日本を選んだ。──真意は分からなくて良い。」
「分かりたくもありません。」
ハッキリとそう呟いた目の前のソファーに座る今年で56歳になる男は、安全装置をオフにしてから、手に持っている銃をテーブルの上に置いた。
はあ、と云うため息がわざとらしく部屋中に響く。
「警告です。我々は、ここに外貨を稼ぎにきています。貴方の青春作りのためではありません。それをお忘れ無い様に。」
「ああ、分かってる。」