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夢見る夢子
第1章 プロローグ

季節は初夏…

GWが終わり、
教室の窓からは爽やかな風が吹き込んでいた。

午後の授業は気だるい。
昼食後だからどうしても睡魔が押し寄せてくる。

上沼夢子は教壇に立つ教師の顔を
じっと見つめていた。
真剣に授業を聞いているわけではない。

夢子の体はおとなしく着席しているが
心は教室の天井付近に浮遊して
つまらなさそうに授業を受けているクラスメートを眺めている。

なかにはウツウツとして
心が少しだけ体から
出たり入ったりを繰り返している。

『みんな、離脱が下手くそね』

心と体を分離すると
とんでもない快感が得られるのに
クラスメートの誰一人として
夢子のように完全に離脱出来ないでいた。

やがて授業を終えるチャイムが鳴り響く。

『あ~あ、今日もつまらない一日だったわ』

夢子の心は教室の天井から
一目散に自分の体の中に潜り込む。

『戻ったわ…』

とても清々しい気分が訪れた。

「ねえ、夢子…放課後ゲーセンに寄ってかない?」

親友の大江真紀子が後ろの席から
夢子の背中をペンでツンツンと突きながら
声をかけてきた。

「ごめ~ん、
今日は早く帰ってやることがあるのよ」

夢子は真紀子の誘いを断った。

心と体が分離したあとは
とても体がリフレッシュされていて
この清々しさが残るうちにオナニーをしたいと思っていた。

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