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夢見る夢子
第3章 母、芙美子
夢子が退院してから
両親の仲がギクシャクしはじめた。
原因は夢子だった。
父は夢子の体調管理が出来ていないからだと
母の芙美子を叱った。
母も負けじと
「あなただって、
たまには夢子と会話してあげてくださいな
毎晩、家庭と職場の往復だなんて
私たちは家族なのよ
もっと私たちの事をみて欲しいわ!」と
これまでの鬱憤を吐き出すかのように
父を罵倒した。
昔気質の父は
家庭は母である芙美子が守るものだと考えているようだ。
40半ばの夫婦は
すでにセックスレスに突入しており
男と女の関係は皆無だったようだ。
『お互いの事をもっと知るには
肌を合わせることもたまには必要じゃないかしら』
夢子は深い考えも持たず
セックスさえしていれば
万事すべて上手くいくのにと思っていた。
『そうだわ!
せっかくの特殊能力だもの
この力を使わない手はないわ!』
やるなら金曜の夜だわ!
翌日が仕事がお休みなら
母が誘えば父もその気になってくれるに違いない
夢子は金曜の夜に幽体離脱できるように
木曜日の夜は徹夜した。
眠気がやって来るギリギリの状態であれば
幽体離脱しやすい事を覚えたからだ。