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夢見る夢子
第6章 ナース 彩佳
夢子が自分の体に戻ろうと
自宅のベッドに寝ている部屋に移動すると
父と母が寝ている夢子の体を揺すって
わめきたてていた。
しばらくすると
遠くから救急車のサイレンが聞こえて
どんどんと近づいてくる。
「おーい!ここだ!!
早く来てくれ!」
父が玄関先まで飛び出て
近づいてくる救急車を必死に手招きしていた。
『ごめんね、ビックリさせちゃって
でも、すぐに戻るから目を覚ますわ』
夢子は救急隊員が
心臓マッサージを行い始めたので驚いた。
『ちょっと!おっぱいを触ってるじゃないの!』
すぐさま体に戻って
胸を触っている隊員にビンタしてやろうと思った。
だけど、何か今までとは違う…
いつもならスーッと体の中に潜り込めるのに
今回は何故か風船のように
弾き返らされてしまう。
『やだ…なんで?
元の体に戻れないわ!』
「心肺停止して
どれぐらいの時間が経ってますか?」
必死に心臓マッサージをしながら
額に汗を浮かべて救急隊員が母に尋ねた。
「わかりません…
朝、起きてこないから起こしにいったら
すでに体が冷たくなっていて…」
心臓マッサージをしている隊員が
もう一人の隊員に向かって
「AED持ってこい!」と叫んだ。