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夢見る夢子
第6章 ナース 彩佳
別の救急隊員がAEDを持ってくると
心臓マッサージをしていた隊員が
ぐったりしている夢子のパジャマの上着を
おもむろに首もとまでずり上げて
夢子の胸を露出させた。
『きゃあ~!嫁入り前の娘のおっぱいを
みんなの前で露出させるなんて!!』
夢子は憤慨したが
露出された胸は白さを通り越して青白かったので
自分でも只事ではないと気づいた。
AEDのシートを胸と脇腹に張り付けると
「チャージ!」と隊員は叫んだ。
充電完了を告げるチャイムがAED本体から流れると
「皆さん、離れて!!」と
シートを張り付けた隊員が叫んだ。
AEDのボタンを押すと
ビクン!と夢子の体が、一瞬、跳ねあがった。
それを見た母の芙美子が「いやあ~!」と
大きな声で叫ぶ。
「心拍再開!」
首の頸動脈を確かめた隊員は大きな声を上げ
母に向かって「搬送します」と告げた。
ストレッチャーに乗せられた夢子が救急車に
積まれてゆく。
「同伴はお一人です、どちらが乗られますか?」
救急隊員に、告げられ、
一瞬、顔を見合わせた父と母であったが
「私が乗ります!」と母が一歩前に踏み出した。
夢子と母を乗せた救急車が走りだし
その後を追うように父もマイカーを
ガレージから出して追走した。