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夢見る夢子
第1章 プロローグ
「ふう~ん…
6時間以内なら、
いろいろ遊んでもいいってことね」
今はどれぐらい時間がたったのだろうか…
こうして体を離れて意識だけになると
時間の流れがハッキリとわからない
とりあえず元の体に戻っておこうかしら…
夢子はのっぺらぼうに教えられたように
元の体に戻りたいと念じた。
たちまち、真っ暗な闇に覆われた
もしかしたらのっぺらぼうに騙された?
怖くなって夢子はしっかりと目を開いた。
途端に闇が消え去り
見慣れた自分の部屋の天井が見えた。
急激に体温というものが感じられた。
それと共にまったく感じなかった五感が甦る。
『戻れた?』
夢子は自分の体の感触が甦ったことを知り
手を伸ばした。
見慣れた自分の腕が生きている喜びを悟り
激しく動いていた。
あの、のっぺらぼうの事は夢だったのかしら?
でも、もし教えてもらったことが事実なら
今度幽体離脱したら
誰かの体に憑依してみようと思った。
誰にしようかしら…
あ!そうだ。
吉住くんと付き合っていると噂されている
松岡尚子にしよう!
松岡さんの体を借りて吉住くんとデートできれば
ほんのひとときでも彼とデート出来るじゃない!
うふふ…なんだか楽しくなってきちゃった。
ニヤニヤしながら夢子は再び眠りに落ちた。