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夢見る夢子
第1章 プロローグ
「あまり長く浮遊していると
元の生体に戻れなくなっちゃいますよ」
「それってつまり…」
「あなたたち生体の世界では
それを『死』とよぶらしいですけどね…」
そうなんだ…
あまり長く離れていたら
そのまま元の体が死んじゃうんだ
「どうすればいいの?
私、ここが何処かもわからないし
帰り道がわからないわ」
「くくくくっ
タクシーにでも乗って帰るつもりですか?
あなたは意識の世界にいるんです
帰ろうと念じさえすれば
すぐさま元の生体の元へ帰れますよ」
テレポートっていう奴かしら…
意識の世界って便利なのね
「こうして意識の世界で遊ぶのもいいですけどね
でも、長くても6時間というところでしょうか
これ以上続ければ冗談でなく私が案内人として
マジであなたを
連れに来なくてはいけなくなりますよ」
「いろいろ教えてくれてありがとう」
「もう一つ面白い事を教えてあげましょう
意識のあなたは6時間のうちなら
他の生体に入り込んで楽しむことも可能ですよ」
「つまり…それって憑依出来るってこと?」
「ああ、あなたたち生体の世界では
そのような呼び名で言うんですね
そうです、憑依です。
これもクセになるとなかなか面白いですよ
別の体というのは大胆になれますからね」
少し長く話しすぎてしまいましたね
では、案内人としての役目に戻るとしますか
そういうと黒マントにシルクハットの
のっぺらぼうは透明なドレスの女性と共に
天空目指して飛び立った。