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自慢の母親
第4章 疑惑
「母さん、今、戸田君・・て言ったよね?」

健介がいきなり踏み込んで来たのを知って、ゆかりは顔面蒼白だった。

何も言えなかった。

ただ、あまりの驚きに呼吸をする事すら忘れていた。


「母さん、戸田とはどんな関係なの?」

「ど、どんな・・って・・」

「じゃ、これ見て・・!」

健介は戸田から買った動画を見せたのだ。

そこには明らかに自分だとわかる女が映っており、戸田の調教を受けていたのだ。

ゆかりは完全に気が動転し、何も言えなかった。





ゆかりは家を出たのだった。

もう戻れなかった。

息子の健介に全てを知られてしまった。

(ああ、どうしよう・・?これから私、どうすればいいの・・?)

だが、そんな自分より、息子の事が心配だった。

自棄を起こして、とんでもない事をしでかしたりしなければいいのだが・・

(ああ、健介、ごめんなさい・・。こんな愚かな母親を許して・・)

ゆかりは死んで夫や息子にお詫びをしようかとも思った。

でも、その勇気がなかった。

途方に暮れて宛てなき道をゆかりは歩き続けるのだった。

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