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I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編
「時期....?どういう事ですか?」
「今の母と父の間には、子供が居たらしいが、就寝時の窒息事故で1歳にも満たぬまま亡くなってしまったらしい。それも長年の不妊治療の末に出来た子供だ。その赤子が亡くなった半年後に、皮肉にも不倫相手の妊娠だ。どんなに倫理観が欠如した馬鹿でもその状況下で愛人の妊娠を告げれば、一触即発の危機に直面すると想像出来る。だから避けたんだろう。」
「それって子育て中にも関わらず不倫していたって事ですよね......その事実を知ったら確かに絶望してしまうかもしれません........。でも実のお母様が亡くなった事で不倫も露呈してしまったんですよね?」
「詳細は分からん。だが愛人の死亡と婚外子がいる事を告げた際、義母は激怒する事なく妙に冷静だったらしい。あらかじめ父の浮気を疑い、探偵でも雇っていたのかもしれん。」
「浮気を知っていて、あえて問い詰めなかった...とか?」
「その可能性の方が高いと俺は思った。父と結婚した今の母は難病発症後、仕事を辞めざるを得なくなった。見て見ぬフリをするしか選択肢が無い状況だったんだろう。だが何らかの手続きで戸籍を取った場合、胎児認知と不倫の事実はバレる。遅かれ早かれ、どの道知る事になったがな。」
「......黎一さんの実のお母様が命を絶った理由もよく分からないままなんでしょうか...?」
「....そうだな....だが父の話によれば、仕事で出産立ち会いに行けなかったそうだ。」
「え.....じゃ、じゃあお母様は当時一人で出産を?」
「そうらしい。不信感が募る理由にはなるな。胎児認知をした奴の出来る事と言えば、資金面の援助と偶に顔を見せる事ぐらいだろう。今後我が子を育ていけるのか不安に苛まれ、鬱病を発症したのかもしれない。そう推測すれば、原因は俺の存在になってしまうが...........実際は良く分からん。」
「そう....ですか.....」