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I‘m yours forever
第2章 美月、奮闘する
「わ、分かってるわ。じ、焦らしただけよ。な、何?犬の分際でこの私に催促したつもりなの?」
ふと我に返った私は声が裏返りながらも、そう彼へ返答する。
「差し出がましい事を申しました。ではお詫びに貴方様の靴をお舐めしてもよろしいでしょうか?」
ベッドから降り、カーペットの上に片膝を付き、頼み込む彼の姿は、忠誠を誓う主君の前で家臣が跪く姿を彷彿とさせた。
だがその言葉、表情や雰囲気からは計り知れない余裕が感じられた。
「む、無論よ。わ、私に........その....服従心を示しなさい。」
危なく言葉が出てこなくなりそうだったが、私は何とかそう指示を出すと、キングサイズのベッドへと腰を掛けた。
「畏まりました。」
跪く方向を変えた彼の前に、私は片足を突き出す。
彼は嬉しそうに私のハイヒールに舌を這わせた。
靴の芯先、爪先飾り、パンプスの甲部から後部を覆う部品であるクォーターまで丁寧に彼は舐め上げる。
目前に広がる光景に、私は本当に黎一さんなのかと疑いたくなった。
角度的に顔が見えない....。
彼、一体どんな表情で私の靴を....?
「美月様。」
彼の凛とした声に私はハッとなる。
急に靴から唇を離した彼は、ヒール先端部に取り付けられるトップリフトを指で摘んで、徐に口を開いた。
「貴方様の靴裏を拝見したく存じます。」
そう言って顔を上げた、彼の恍惚とした表情に私は鳥肌が立った。
私の靴裏を....本当に....見るだけ?
み、見るだけなんだよね....?
できれば「そうだ」と肯定してほしい、そんな願いを込めながら、私は彼の顔を上から覗き込んだ。
すると、彼は自分の上唇を舌先で意味ありげにゆっくり舐めると、ウットリとした上目遣いで見つめ返したのだった。
“貴方様の靴裏を舐めたい”
そう恥ずかしげもなく言っているのと同義だった。
その事を再確認させられて、逆に私の方が羞恥で顔が熱くなるのを感じた。