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第4章 美月は何も知らなかった　前編

「わ〜✨チーズフォンデュ美味しそう♡」


「本当だ、美味しそう。」


「美月ちゃんも食べていいからね。アタシ一人じゃ食べきれないし。」


「いいんですか？」


「結構お腹いっぱいになってきちゃったから。遠慮なくどうぞ〜。」


「あ、ありがとうございます。」


「あ、そういえば、ずっと聞くの忘れてたんだけど、新婚旅行って結局どこ行ったの？」


熱々のフォンデュ用鍋に串に刺したソーセージを入れ、チーズ塗れになったソーセージを引き上げて、「んまーい」と言いながら次々と具材を投入していく三原先生は、私にそう問いかける。


「群馬の草津温泉に。10月末に行きました。」


「えー！いいじゃん！！！」


「最初はハワイに行こうって話だったんですけど、ハワイだったら6日間休暇は必要だねって話になり、更に長々と結婚休暇取るのは厳しいからって事で草津温泉に。」


「いや充分でしょう。草津温泉って言ったら、湯畑かな？紅葉🍁も綺麗だったんじゃない？」


「そうなんです。めっちゃ紅葉綺麗で。湯畑を散策して、湯けむり亭っていう足湯に入って、後は西の河原公園っていう公園の露天風呂に入ったんです。」


「草津で一番広い露天風呂でしょ？確か無料の足湯もあった筈。」


「よくご存知で。行った事あるんですか？」


「いや無い🤣いつか未来の彼氏と行きたいって思ってたから、情報収集してるだけ。洗い場は無いみたいだけど、大自然の中の露天風呂、圧巻だろうなぁ〜。宿は何処に泊まったの？」


「湯畑近くの奈良屋っていう老舗旅館です。」


「うわぁ...羨ましい。そこ草津最古の白旗源泉引いてるんでしょ？老舗だったらお料理も絶対美味しい筈。」


「......本当に行った事ないんですよね？😅」


「だから無いって言ってるじゃん🤣サイトに載ってるってそれぐらい。日比谷教頭、温泉のセンスいいねぇ〜。まったり出来たんじゃない？」