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I‘m yours forever
第4章 美月は何も知らなかった 前編
「お前を抱きたい。駄目か?」
共働き二人暮らしには広すぎる我が家に帰宅した瞬間、開口一番に彼の口から飛び出てきた台詞は、熱を帯びた甘ったるいものだった。
耳元で囁かれた彼の美声にウットリしながら、コクリと頷いた私は、黎一さんと共にキングサイズのベッドが置かれた夫婦の寝室部屋へと向かう。
「あ、ちょっとまっ....」
「どうした?」
「お風呂入ってないから、汚「汚くない。」
入浴を済ませていなかった事にふと気付いた私の唇を彼は強引に塞ぎ、再びキングサイズのベッドへと押し倒す。
セックスの許可を求めてきた彼の台詞とは見事に対照的だった。
蕩けるようなキスされながら、身体を徐々に弄られる。
唇を離される頃には、すっかり身体は昂り、彼の男根を求めてしまっていた。
けれども、彼の上着から三原先生の香水が香った瞬間、思わず顔を顰める。
もう限界。
呆れられてもいい。
上着を脱いでほしい事を彼に伝えなければ。
子供じみた嫉妬を伝えるのは気恥ずかしいが、ずっとこのまま背広を着られては行為に集中出来なくなる。
意を決した私は、口を開こうとした。
すると、彼がまるで勝利を確信したような、不敵な笑みを浮かべた。