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I‘m yours forever
第4章 美月は何も知らなかった 前編
「美月、どうした?悩み事か?」
突然、黎一さんに声を掛けられて私はハッとする。ずっと私の身体を撫でていた彼の手だが、服を脱がす段階まではいっていなかったようだった。
「いや...その...聞きたい事があったんですけど、唐突すぎるし、話を蒸し返すみたいで...」
「何の話だ?」
「......その...黎一さんって本当は子ども欲しいんじゃないのかなって....。」
「別に。どちらでもいいが。」
そう淡々と答えた彼の表情は、やはり落ち着き払っていた。嘘を吐いてる...というよりかは我関せずといった態度に近いものを感じた。
「それは私がどっちでもいいって言った後ですよね?私に合わせたんじゃないかなって....。」
「それは無い。仮に欲しければ、お前が出産への決意を固めるまで待つと伝えている筈だ。」
「その....どっちでもいい...というのは、将来子供の居ない老後も想像した意味だと捉えていいんですよね?」
「無論そうだが...美月、急にどうしたんだ?何か問題でもあったか?」
「あの...考えてみたんですけど、子供を作るか否か、真剣に考える時期なんじゃないかなって。遅くなればなる程、色々とリスクは有りますし...。」
そう私が提案すると、一瞬で彼の目の色が変わる。