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I‘m yours forever
第4章 美月は何も知らなかった 前編
「れ、黎一さんの意地悪....。」
「何がだ?私のお陰で思い出せたのではないか?」
「それは...貴方がそう私を誘導したから...」
「何の事だ?私は全て本心を口にしたまでだが。」
「うそよ。私よりも格段に記憶力が良い貴方が、私が褒められると照れてしまうのを知らない筈無いもの。」
「知らないな、それは。不快だったのか?以後気をつける事にする。」
「そもそも、どうしてさっさとコートを脱いでくれないの?私が脱いで欲しい事知ってるのに」
「ああ...それはお前の口から聞きたかったという俺の欲望があったからな。」
「やっぱり意地悪じゃないですか!」
「そう言うな。ほら脱いだぞ。満足か?」
ダークグレーの背広を脱ぎ捨てると、彼はプゥっと膨んだ私の頬を一撫でする。
結局、彼には全て見透かされてしまう。
その上羞恥を与えて、自分が優位に立って、
私の身体と心を翻弄するのだ。
でも、止めてと拒否する事は出来ない。
決して嫌な事ではない上に、認めたくはないけれど、羞恥心を煽られるのは元々好きな方だから、徐々に快感へと変化してしまう。
無論彼もそれを知っていて、その上私が嫌がる事は絶対にしてこない。
優しくて賢くて狡い彼、
そんな彼を正々堂々打ち負かせる日等、
一生来ない気もするが、一度でいいから経験したいような気もした。
【子供を持つか持たないかって事を先延ばしにするのは駄目じゃない?妊娠にはタイムリミットがあるんだし。】
そう考えていた時、何故か酒で前後不覚となる前の三原先生の言葉が頭をよぎった。
唐突にこんな事を思い浮かべてしまうのだ。
自分も結構酔っ払っているのかもしれない。
今、言ってもいいのだろうか?
日を改めた方が....もしかしたら長い話になるかも....?