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I‘m yours forever
第4章 美月は何も知らなかった 前編
「10年後、私は39で、20年後は49です。39でも高齢出産ですが、49だったら確実に自然妊娠は難しくなりますので、不妊治療を受ける事になるかと思います。色々手を尽くして駄目だった場合でも黎一さんは、私の事「見捨てるとでも思っているのか?」
地の底から湧き上がるような彼の低い声によって、私の言葉は遮られる。
加えて非難するような目つきに、私は一瞬にして固まった。
「歳を重ねたお前を子供が産めぬ欠陥品だと判断し切り捨て、若さのある女を選択すると。俺がそういった非道徳的行為に及ぶ可能性がある人間だと、一瞬でもそう思ったのか?」
「そ、そんな事、思ったわけじゃなくて、ただ私「思ったんだろう?損得勘定を最重要視するエゴイストだと思ったんだろう?でなければ何だというのだ?ハッキリ言え。」
「思ってないです!そ、そんな怒らなくたっていいじゃないですか!熟年離婚が嫌だったから、確認しただけです!こういう小さな事が離婚の火種になるのが嫌だったんです!!不安だったから聞いただけなのに、駄目だったんですか?」
急に険悪な雰囲気に包まれた黎一さんに、そう必死に訴えかけると、怒りに満ちた彼の目元が徐々に伏せられていった。
「いや...お前の言う通りだ。私が感情的だった。反省している。」
破裂しそうだった風船から空気が抜けていくかのように、彼の怒りは治っていった。
暫し自身の額を覆っていた彼の手が取り払われ、その手はベッドシーツへと移動していた。