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I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編


「そ、そんな。いつも質素な食事ですよ。そ、それよりも黎一さんの気遣いの方が凄いです。毎日は大変だろうから積極的に手を抜いて、お休みの日を設けなさいって。無論、体調不良の時は絶対家事はするなって。」


「ほほ〜。良いじゃねえか。じきに愛妻家になるんじゃねえの?いつか尻に敷いちまえよ。」


「し、尻に?む、無理です。
 出来ませんよそんな事。」


「男は女の尻に敷かれるぐらいが丁度良いんだよ。そういや金の管理は大丈夫か?ちゃんと小遣い制にしてるか?」


「小遣い制では無いです。でも新たに共通口座とそれぞれに貯蓄用口座を作って、やりくりしてます。共通口座に生活費全般を支出して、自分達の口座から天引きしたものを貯蓄口座に入れてるって感じです。」


「共通口座の残りが全額、小遣いに回るって事はねえの?あ、それを防ぐ貯蓄用口座か。共通口座の名義は美月ちゃんか?」


「私ですけど、代理人カードが作れるので、黎一さんでもお金の引き出しは可能です。共通口座は毎月決められた額をそれぞれ入れてます。貯蓄口座も毎月各々目標を決めているので、貯まらない事は無いかと。」


「まあ...それは賢いが、管理が大変じゃねえの?アイツは不満かもしれねえけど、小遣い制の方が美月ちゃん的には楽だろ?」


「黎一さん曰く、家計管理をどちらかに一任するのは最も貯蓄スピードが上がり、管理も楽だが、管理される側は家計に対して無頓着になり、管理する側がストレスを抱えるだろうって。でもこれならお互い収入に見合った小遣いもあるし、支出が明らかで貯金も出来るから、お互い不平不満が出る事は無いんじゃないかって....。」



「.....驚いたな...アイツが、そんな事言うとはな...。」


感慨深そうに西條は言う。
その視線の先は私ではなく、泥酔の末にソファにて横になり、瞼を閉じている黎一さんに注がれていた。



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