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I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編
「......以前は違ったんですか?」
「違うなんてもんじゃねえよ。アイツ、金残して死んでも仕方ないだろうって言った事あるんだぜ?」
「え!?!?」
じ、実は散財する人だったの?
でも見た目に少し拘るぐらいで、私物も少ないし、物欲あるようには見えなかったんだけどな....。
「あー大丈夫だぜ。美月ちゃん。別に黎一は浪費家でも賭け事好きでもねえよ。多少贅沢はするが、奴の性格から考えるに老後に必要な貯蓄を怠るような馬鹿ではない。それは多分有る。ただ、それを差し引いても使えねえ資金があって仕方ねえなって意味で言ってたんだ。」
「そうなんですか...え、でも医療費とか高額になって来てる上に将来、年金も貰えるか分からない時代なのに、老後余るお金なんてあるんですかね...?」
「まあそうなったとしても余裕で金が余るんじゃねえの?裕福なんだろう。将来、年老いて使えなかった金が手元に残るのが嫌だってさ。」
「貧民には言えませんね.....お金持ちの台詞ですね。いいなぁ。言ってみたいです。」
「いやー...アイツの場合、独身時代が長くて捻くれて、金があっても阿呆らしいみたいな意味だったと思うぜ。」
「....え、そうなんですか?元々、結婚願望が強い人だったとか...?」
「かなり強かった。偶に嫌味ったらしく、「優雅な独身貴族もこう長く続くと単調で飽きるが、誓約の多い結婚生活に縛られるよりは100倍良い」とか言ってきた時期もあったけど、俺は完全に嫉みだと分かったぜ😓アイツはエッフェル塔並みに高いプライド持ってるからな。ただ単に言えねえだけだ。」
「そうだったんですね.....😅でも彼、経験豊富だって言ってたので、恋人には困らなかったんじゃないのかなって。」
「....美月ちゃん、その経験豊富の意味を詳しくちゃんと聞いたか?」
黎一さんに注いでいた視線が今度は私の方へと向けられる。疑心に満ちた瞳だった。