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ふぞろいのザクロたち
第7章 犯人探し

「今なら恋愛ご法度じゃないから
もう一度、私を口説いてみる?」

そう言いながらチラッと恵美里を見て
「もう遅いか…素敵な彼女ね」と言った。

「い、いや…この子は彼女なんかじゃないんだ」

広の言葉に恵美里はガッカリした。

「ここに訪ねてきたのは緑川に会うためなんだ!」

「緑川?…ああ、そんなやついたわね」

エミリーの口振りからして
どうやら緑川は会社を退職したみたいだ。

「やっぱり辞めていたか…」

エミリーとの性交が未遂に終わり
スタッフに呼び出された居酒屋で
広は皆から説教を受けた。

そのうちの一人が編集の緑川だった。

「どうだい広、ここを辞めて俺と組まないか?
こんなとこで女の裸を撮っていても仕方ないだろ
俺と組めよ、儲けさせてやるぞ」

緑川は他のスタッフに聞かれてはまずいと
広をトイレに連れ込んで裏モノの制作に誘ってきた

「それって…つまりは違法でしょ」

「そんなことを気にしてたら銭なんて稼げねえさ」

「お断りします、
どうせ辞めるのなら僕は写真の道に進みますから」

そうかい、後で悔やんでも仕方ないからな

そう言って緑川とは別れてそれっきりだ。


「そうかぁ!」

広の記憶を打ち破るように
エミリーが大きな声を上げた。

カフェの客が一斉に三人を見た。

「広、あんた緑川と組んで
一儲けしたくなったんでしょ?」

「えっ?」

「その子がモデルなら緑川も大歓迎するかもね」

「エミリー…もしかして…
緑川の連絡先を知っているのか?」

まさかな、と思いながらも訊ねてみると
うん、知ってるよと
美味しそうにコーヒーを飲みながら
エミリーはそう言った。



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