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濡花 ~義理の父親に堕とされていく若妻~
第34章 花怜と涼華 ~本章~
居間の入り口に花怜…縁側に涼華…その間に卓司が座っている。
二人に挟まれる卓司が大きな声を出すと…落ち着いて話し出した。
「二人が不仲なのは涼華から聞いたよ…。花怜…結婚式の時以前からなんだろ…でもせっかくの姉妹なんだからこの先ずっといがみ合わなくてもいいんじゃないのか…」
【涼華って…もう呼び捨て……私に内緒で涼華にまで手を出しておいて……】
頭に血の上った花怜は勝手なことを言う義父を睨んだ。
内心抱いた感情に黒木のことが頭を過る。
それで少しだけ落ち着くことができた。
【誰かを裏切ってるのは私も同じ……】
「ふぅ……すみません……これは新田の家のことなので……お義父さんには関係ありませんから……」
花怜の態度に治まらない涼華が続けた。
「だから言ったじゃないですか……お姉ちゃんは私のこと嫌いなんですよ……仲直りなんて無理なんですよ……」
「涼華だって私のこと嫌いなんでしょっ……」
「嫌いよっ…でも最初に嫌ったのはお姉ちゃんの方じゃない……」
花怜は涼華の言葉にハッとした。
忘却させた記憶を掘り起こしていく。
【私が最初に嫌った?……あれ?……そうだったっけ……。涼華が高校生の時…あんなことがあって……】
泣きついてきた母…世間的に矢面に立ちながら会社に向かう父の背中…。
怪我でバドミントンができなくなったからって妹がしたことは許せないとは確かに思っていた。
【あの時…私は涼華に何を言ったの?……】
「私……だって涼華が…あんな問題起こすから……」
戸惑うように花怜は当時を思い出していく。
「まさか……忘れたの?……汚らわしいって……汚れてるって言ったじゃない……家に戻ってくるなって……。それがなによ……今のお姉ちゃん……私とおんなじじゃない……ううん……私よりずっと罪深いことしてるんじゃないのっ……」
【そうよ……家族にずっと嘘を突き通して……自分の旦那まで裏切ってるくせに……】
【だってあの時の私はまだ社会にも出てない世間知らずだったから……】
花怜は涼華の言葉に力なくその場に崩れ落ちた。
「涼華…もうそのくらいにしないか……。花怜…もし自分にも至らないことがあったと思うなら落ち着いて話し合ってみたらどうだい?…」
【罪深い…私が至らなかった……私のせい……】
義父の言葉に花怜の頬には涙が伝っていた。
二人に挟まれる卓司が大きな声を出すと…落ち着いて話し出した。
「二人が不仲なのは涼華から聞いたよ…。花怜…結婚式の時以前からなんだろ…でもせっかくの姉妹なんだからこの先ずっといがみ合わなくてもいいんじゃないのか…」
【涼華って…もう呼び捨て……私に内緒で涼華にまで手を出しておいて……】
頭に血の上った花怜は勝手なことを言う義父を睨んだ。
内心抱いた感情に黒木のことが頭を過る。
それで少しだけ落ち着くことができた。
【誰かを裏切ってるのは私も同じ……】
「ふぅ……すみません……これは新田の家のことなので……お義父さんには関係ありませんから……」
花怜の態度に治まらない涼華が続けた。
「だから言ったじゃないですか……お姉ちゃんは私のこと嫌いなんですよ……仲直りなんて無理なんですよ……」
「涼華だって私のこと嫌いなんでしょっ……」
「嫌いよっ…でも最初に嫌ったのはお姉ちゃんの方じゃない……」
花怜は涼華の言葉にハッとした。
忘却させた記憶を掘り起こしていく。
【私が最初に嫌った?……あれ?……そうだったっけ……。涼華が高校生の時…あんなことがあって……】
泣きついてきた母…世間的に矢面に立ちながら会社に向かう父の背中…。
怪我でバドミントンができなくなったからって妹がしたことは許せないとは確かに思っていた。
【あの時…私は涼華に何を言ったの?……】
「私……だって涼華が…あんな問題起こすから……」
戸惑うように花怜は当時を思い出していく。
「まさか……忘れたの?……汚らわしいって……汚れてるって言ったじゃない……家に戻ってくるなって……。それがなによ……今のお姉ちゃん……私とおんなじじゃない……ううん……私よりずっと罪深いことしてるんじゃないのっ……」
【そうよ……家族にずっと嘘を突き通して……自分の旦那まで裏切ってるくせに……】
【だってあの時の私はまだ社会にも出てない世間知らずだったから……】
花怜は涼華の言葉に力なくその場に崩れ落ちた。
「涼華…もうそのくらいにしないか……。花怜…もし自分にも至らないことがあったと思うなら落ち着いて話し合ってみたらどうだい?…」
【罪深い…私が至らなかった……私のせい……】
義父の言葉に花怜の頬には涙が伝っていた。