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濡花 ~義理の父親に堕とされていく若妻~
第34章 花怜と涼華 ~本章~

母屋の2階に食事処はあった。
暖簾を潜ると中居が待ち構えて丁寧に頭を下げる。
その向こうには石畳の通路が伸びて両脇に個室が幾つも儲けられていた。
「こちらでございます…」
中居が木戸を開けるとそれなりの広さの個室に木のテーブルと椅子がある。
テーブルには先付けの料理が既に配置されていた。
二人分の料理が横並びに…対面の真ん中に一人分の料理が配膳されている。
卓司は一人分の料理の椅子に座った。
花怜が奥に腰を下ろし、涼華が隣に座る。
「とりあえずビールを2本持ってきてもらおうか…」
卓司の言葉に返事をした中居が一旦下がった。
「あの…涼華……ごめんなさい……」
花怜が涼華に身体を向けて謝罪を口にした。
「お待たせしました…」
すぐに中居がビールを持って戻ってると、料理の説明を始めてしまった。
花怜はばつが悪そうに冷えたビール瓶を持つと卓司へと注いでいく。
涼華は中居の料理説明を興味津々と聞いていた。
「…涼華も飲む?……」
蚊の鳴くような声で涼華に問いかける。
弱々しい態度を取られると涼華は妙にイライラした。
「…うん…飲む…」
そう言ってグラスを差し出した。
花怜が緊張ぎみに妹のグラスに注いでいく。
「花怜には私が注いでやろう…」
「ほら、やっぱりお義父さんはお姉ちゃんに甘い……」
涼華の言葉に花怜はグラスを持つことを躊躇ってしまう。
「花怜…泡が消えてしまうじゃないか…」
「すみません…ありがとうございます……」
借りてきた猫のような花怜にビールを注ぐと三人は形だけの乾杯をした。
ひとくちだけ口をつけた花怜。
半分ほど飲んだ涼華。
卓司はぐっと一気に飲み干した。
涼華が瓶を持って卓司に注ぎながら言った。
「お姉ちゃんが何について謝ってるのか知りませんけど……もうお義父さんも無関係じゃないから聞いてください……」
【涼華……自分のことを話すの?……】
涼華の過去の出来事は人に話すようなことじゃない。
花怜はどこか勇ましいとさえ思えた。
「わかった…聞こうじゃないか…」
義父もグラスを置いて落ち着いた声で答えている。
花怜だけが子供のように思えた。
涼華に言われた…変わってない…の言葉が胸に刺さる。
取り残されたように思いながら涼華の言葉に耳を傾けていた。
涼華は一度深く息をすると淡々と話していった。
暖簾を潜ると中居が待ち構えて丁寧に頭を下げる。
その向こうには石畳の通路が伸びて両脇に個室が幾つも儲けられていた。
「こちらでございます…」
中居が木戸を開けるとそれなりの広さの個室に木のテーブルと椅子がある。
テーブルには先付けの料理が既に配置されていた。
二人分の料理が横並びに…対面の真ん中に一人分の料理が配膳されている。
卓司は一人分の料理の椅子に座った。
花怜が奥に腰を下ろし、涼華が隣に座る。
「とりあえずビールを2本持ってきてもらおうか…」
卓司の言葉に返事をした中居が一旦下がった。
「あの…涼華……ごめんなさい……」
花怜が涼華に身体を向けて謝罪を口にした。
「お待たせしました…」
すぐに中居がビールを持って戻ってると、料理の説明を始めてしまった。
花怜はばつが悪そうに冷えたビール瓶を持つと卓司へと注いでいく。
涼華は中居の料理説明を興味津々と聞いていた。
「…涼華も飲む?……」
蚊の鳴くような声で涼華に問いかける。
弱々しい態度を取られると涼華は妙にイライラした。
「…うん…飲む…」
そう言ってグラスを差し出した。
花怜が緊張ぎみに妹のグラスに注いでいく。
「花怜には私が注いでやろう…」
「ほら、やっぱりお義父さんはお姉ちゃんに甘い……」
涼華の言葉に花怜はグラスを持つことを躊躇ってしまう。
「花怜…泡が消えてしまうじゃないか…」
「すみません…ありがとうございます……」
借りてきた猫のような花怜にビールを注ぐと三人は形だけの乾杯をした。
ひとくちだけ口をつけた花怜。
半分ほど飲んだ涼華。
卓司はぐっと一気に飲み干した。
涼華が瓶を持って卓司に注ぎながら言った。
「お姉ちゃんが何について謝ってるのか知りませんけど……もうお義父さんも無関係じゃないから聞いてください……」
【涼華……自分のことを話すの?……】
涼華の過去の出来事は人に話すようなことじゃない。
花怜はどこか勇ましいとさえ思えた。
「わかった…聞こうじゃないか…」
義父もグラスを置いて落ち着いた声で答えている。
花怜だけが子供のように思えた。
涼華に言われた…変わってない…の言葉が胸に刺さる。
取り残されたように思いながら涼華の言葉に耳を傾けていた。
涼華は一度深く息をすると淡々と話していった。

