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恍惚の日々
第2章 正体
「かなえ?」

「…は…い…」

「悪かったね。悪ふざけが過ぎたようだ。」

「総支社長…」

「違うだろ?」

「でも……」

「さあ!いよいよ出発だよ。」

「えっ?」

顔に赤みがさしたかなえを見て、解りやすいなあ(笑)と思うと、また意地悪をしたい桐谷だった。


「かなえ?」

「はい。」


えっ?今度は何?
真っ暗だよ!

目隠し…って…

何がおきるの?

あたし、生きて帰れる?



「怖いことは何もない。安心しなさい。」


車は走り出した。

桐谷は考えていた。
リザーブしたホテルに行くか、自分のマンションにするか、バーにするか…

決めあぐね、車は目的地を失ったまま走らせていた。



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