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恍惚の日々
第3章 裏腹
「じゃ、まずは乾杯。二日目の私達に(笑)」

昼間からワインは、休日ならではだ。
ゆっくりとワインの味を楽しもう。
昨日は、せっかくのドンペリだったのに、味も香りも楽しめずに終わってしまったのだから。


「美味しい!」

「そう?よかった。白もいいだろう?たくさん飲みなさい。かなえが強いことはリサーチ済みだよ(笑)」

穏やかで優しい、ダンディな桐谷だった。


油断……


もともとはかなえも桐谷に一目惚れしている。
こんな紳士的な優しい桐谷を見たら、これが本当の桐谷であって欲しいと思う。

桐谷が用意した、チーズとチョコを食べながら、ワインはすすみ、チョコはワインに合わないと思いながらも、パクパクと食べては飲んだ。

フラっとして、かなえは珍しく酔っていた。

「淳之介さま?」

「ん、なんだい?」

「おそばに行ってもいいですか?」

「あぁ、もちろん。では、場所を変えよう。」

かなえをエスコートして、隣にあるソファーに並んで座った。
前面に大きな窓があり、外の森林が眼前に広がる。

酔ってしまったせいか、それともこのロケーションの為せる業か、かなえは桐谷の肩にもたれ掛かる。


「にこにこしてるかなえは本当に可愛い。仔犬のようだ(笑)」

「ニャンからキャン?」

「ある時は猫、ある時は犬、か?」

「ぅお〜ん。」

「そうかそうか(笑)」


「かなえ、いいものがあるぞ。」





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