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恍惚の日々
第4章 誓約書
「仔犬のかなえも可愛いが、このスタイルは、大人の女の匂いがして、これもよく似合う。うん、かなえにはこれだな。」

なにやら、一人納得して、何度も何度も頷く桐谷だ。


かなえは、その間中、ずーっと眺められていたものだから、頭がボーッとしてきた。

躯中の血流は、見事に逆流し、躯のポイント、ポイントから火が噴いている。

目が虚ろになり、欲情した顔を晒している。

もう、

躯に触れて欲しい!

その指で弄られたい!

摘んで!

挿入して!

いれて!!

お願い!!!


唇が、動こうとした時だった。



「さあ、食べよう(笑)」



またもお預けを喰らい、焦れったさと欲情の間(はざま)に立たされてしまった。

気高きプライド?

もはや、そんなプライドなど忘れ去ったかなえは、ズルズルと桐谷の手中へと向かっていた………



桐谷が箸を持つ手、指。

トロを掴んだ箸が運ぶ先にある唇、開いた口、見えた赤い舌。


もう、全ての所作がかなえを誘惑してくる………



箸じゃなくて!

トロじゃなくて!


あたしを!


「私を…食べて…」


「んっ?何?」

「えっ!!」
ついに心の叫びが口を突いて飛び出してしまった!


「凄いことが聞こえたんだけど?」
ニヤリと桐谷が片側の口角を上げた。
鈍く光る瞳が、かなえを突き刺した。





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