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恍惚の日々
第5章 脱皮
「淳之介さま……」

「ん、いい顔だ。こっちへ。」

「はい。」

アイランドキッチン。
料理をするテーブルではないようだ。

そこに座らされ、M字開脚。
「自分で広げる!」
「はい!」

慌てて、陰唇を左右に広げた。

「ひくつかせる必要はない。ただの検査だ。」

羞恥心と被虐感にうち震え、愉悦しているかなえ……

蜜が、トクッ、トクッと溢れているのが自分でもわかる。

「仰向けに寝て。」

「はい。」

「脚を開いて上にあげる。開脚まんぐり返しだ。アナルも検査だ。」

「はい…」

物凄い羞恥が襲った。

「ふんっ、(ニヤリ)」
桐谷のこの不気味で見下した陰湿な笑みに、躯中に鳥肌が立つ。


怖い!


桐谷は手袋をしていたようだ。
ヴァギナからアナルホールまで、指でなぞり、よくよく見ている。
他人のはおろか、自分のそこだって、凝視したことはない。
かなえのそこがいいものか、劣るものかだってわからない。
激しい不安が躯中に広がった。


「まあ、いいだろう。服を着なさい。」

「はい…」
私は、ちゃんと合格なの?
長年待ったが、粗悪品だから要らないとか言うの?
ねぇ、何とか言って!

心の叫びは桐谷には届かない…

もしかしたら、気づかないふり?
もしかしたら、私がこう思うことを承知でわざと?

身も心も中途半端にされたまま……
焦らし。

桐谷は、まだ焦らしを楽しんでいた。



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