この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恍惚の日々
第1章 誰?
行きつけの居酒屋。

ここは、半個室風になっていて、うるさくもなければ、かといって静かでもない。ちょうどいい賑やかさで、私達はとても気に入っている。

「ねえ、あたしたち、もう24だよ。」

「あたしはまだ23だけど。」

「こんなことしてていいのかなあ…」

「こんなこと?」

「合コンとか、お見合いパーティーとか、しなくていいのかなあ…あたし、なんか焦るっていうか。」

「ふぅん。」

「え?焦んないの?」

「うん。別にいいかな、って思ってたりする。ていうか、ちなには彼氏いるじゃん!あーびっくりした、忘れるとこだったぁ。」


「別れようと思って……」

「なんで!」

「遠距離、自信ないんだよね…異動で九州なんだって……」

「そかぁ…」


「そういえば、うちもそろそろ打診されてる人がちらほら居るって噂。」

「えっ?もう始まったの?栄転、左遷、右往左往ってとこかな?」

「うん、そうじゃない?」

「あー、いっそのことあたしも転勤したいなあ…」

「はいぃ?かなえ、今、何とおっしゃったあ?転勤ってぇ?!」

「冗談だよ、冗談(笑)」

満更冗談でもなくかなえは言った。あの靴音から解放されたい一心が口をついて出たのだ。

ただ、女性のしかも事務職の転勤なんて、滅多にあるものじゃない。なかなか叶わない話ではある。


「あ…電話…」

「彼?」

「うん…ちょっとごめん。」

ちなが中座した。
かなえは、やっぱり最近は一人になると靴音の事を考えてしまう。
あの音が、あたしの頭に摩り込まれてしまう……
あー、やだ。早く終わってぇ!

最近、一人になるのが怖い。そう思い始めていた。

ちなが戻ってきた。

「ごめん。散会でいい?」

「うん、いいよ。早く彼んとこ行きなよ。」

「うん。ありがと。今日のはあたし払うから。」

そう言って、伝票を持つなり脱兎の如く出て行った。

あーあ、一人かぁ…
駅までタクシーに乗ろうかな。



/90ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ