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恍惚の日々
第1章 誰?
行きつけの居酒屋。
ここは、半個室風になっていて、うるさくもなければ、かといって静かでもない。ちょうどいい賑やかさで、私達はとても気に入っている。
「ねえ、あたしたち、もう24だよ。」
「あたしはまだ23だけど。」
「こんなことしてていいのかなあ…」
「こんなこと?」
「合コンとか、お見合いパーティーとか、しなくていいのかなあ…あたし、なんか焦るっていうか。」
「ふぅん。」
「え?焦んないの?」
「うん。別にいいかな、って思ってたりする。ていうか、ちなには彼氏いるじゃん!あーびっくりした、忘れるとこだったぁ。」
「別れようと思って……」
「なんで!」
「遠距離、自信ないんだよね…異動で九州なんだって……」
「そかぁ…」
「そういえば、うちもそろそろ打診されてる人がちらほら居るって噂。」
「えっ?もう始まったの?栄転、左遷、右往左往ってとこかな?」
「うん、そうじゃない?」
「あー、いっそのことあたしも転勤したいなあ…」
「はいぃ?かなえ、今、何とおっしゃったあ?転勤ってぇ?!」
「冗談だよ、冗談(笑)」
満更冗談でもなくかなえは言った。あの靴音から解放されたい一心が口をついて出たのだ。
ただ、女性のしかも事務職の転勤なんて、滅多にあるものじゃない。なかなか叶わない話ではある。
「あ…電話…」
「彼?」
「うん…ちょっとごめん。」
ちなが中座した。
かなえは、やっぱり最近は一人になると靴音の事を考えてしまう。
あの音が、あたしの頭に摩り込まれてしまう……
あー、やだ。早く終わってぇ!
最近、一人になるのが怖い。そう思い始めていた。
ちなが戻ってきた。
「ごめん。散会でいい?」
「うん、いいよ。早く彼んとこ行きなよ。」
「うん。ありがと。今日のはあたし払うから。」
そう言って、伝票を持つなり脱兎の如く出て行った。
あーあ、一人かぁ…
駅までタクシーに乗ろうかな。
ここは、半個室風になっていて、うるさくもなければ、かといって静かでもない。ちょうどいい賑やかさで、私達はとても気に入っている。
「ねえ、あたしたち、もう24だよ。」
「あたしはまだ23だけど。」
「こんなことしてていいのかなあ…」
「こんなこと?」
「合コンとか、お見合いパーティーとか、しなくていいのかなあ…あたし、なんか焦るっていうか。」
「ふぅん。」
「え?焦んないの?」
「うん。別にいいかな、って思ってたりする。ていうか、ちなには彼氏いるじゃん!あーびっくりした、忘れるとこだったぁ。」
「別れようと思って……」
「なんで!」
「遠距離、自信ないんだよね…異動で九州なんだって……」
「そかぁ…」
「そういえば、うちもそろそろ打診されてる人がちらほら居るって噂。」
「えっ?もう始まったの?栄転、左遷、右往左往ってとこかな?」
「うん、そうじゃない?」
「あー、いっそのことあたしも転勤したいなあ…」
「はいぃ?かなえ、今、何とおっしゃったあ?転勤ってぇ?!」
「冗談だよ、冗談(笑)」
満更冗談でもなくかなえは言った。あの靴音から解放されたい一心が口をついて出たのだ。
ただ、女性のしかも事務職の転勤なんて、滅多にあるものじゃない。なかなか叶わない話ではある。
「あ…電話…」
「彼?」
「うん…ちょっとごめん。」
ちなが中座した。
かなえは、やっぱり最近は一人になると靴音の事を考えてしまう。
あの音が、あたしの頭に摩り込まれてしまう……
あー、やだ。早く終わってぇ!
最近、一人になるのが怖い。そう思い始めていた。
ちなが戻ってきた。
「ごめん。散会でいい?」
「うん、いいよ。早く彼んとこ行きなよ。」
「うん。ありがと。今日のはあたし払うから。」
そう言って、伝票を持つなり脱兎の如く出て行った。
あーあ、一人かぁ…
駅までタクシーに乗ろうかな。