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恍惚の日々
第5章 脱皮
早い夕食の後は、桐谷のマンションでゆったりとくつろいだ。

桐谷の肩に身を寄せ、互いの手を繋ぎ、長かった三日間の話をした。

「後悔は無いね?」

「はい、ありません。」

「ついてくる?」

「ついて参ります。」

「ついてこれる?」

「楽しもうと思います。」

「いい子だ。」

「はい。」

「大事にするよ、私なりのやり方でね。」

「ありがとうございます。」



どちらからともなく唇を重ねた。

柔らかい唇が熱を帯びる。
互いの唇を啄むように、その柔らかな感触と熱を味わう。

彼の舌がほんの少し唇の先に。
かなえの口が入り込んできた舌を挟み、吸い付いていく。

吸い付かれるままにしていた彼の舌に力が入り、無造作に暴れだした。

ン、あ……
ン、ンン…
あぁ…ンあぁ…

歯肉といわず、歯といわず、とにかく口の中をランダムになぞり、吸い付き、かなえはもうそれだけで逝きそう……

彼の手がまた、ネグリジェの上から躯を這い始め、胸を反らすようにのけ反ってしまう。

顎が上がり、紅潮したかなえを見つめ、やがて彼の唇は、耳元に……


ああ…
逝ってしまう…

ああ…
熱い…

お願い…

息を吹きかけないで……

ダメ…

もう…


「ああっ…んんーっ…」


「逝ったんだね。可愛いよ、かなえ。いっぱい逝かせてあげようね。」


桐谷はかなえを抱き上げ、寝室に入っていった。




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