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第8章 代償

「逢里…余計なものを見るな。」



頭に置いた手を、おでこに回し前髪を上げると、要は唇を逢里につけた。


『逢里は俺のもの』


おまじないめいた感じに心の中で唱えた。

美沙にさえも負けたくない。
逢里の1番は俺であって欲しい。


そんな独占欲とでも言う様な想いを秘めた行為だった。


誰にも傷つけられたくない。
俺以外の事で悩んで欲しくない。


だから、何も見て欲しくないのだ。