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第9章 嫉妬と誤解

出て行くなとは言っていない。



だけど、誠の『愛してる』の言葉は、明らかにその意味を持っていた。




誠を愛している美沙が、そう言われても出て行くとは思えない…誠の策略でもあったのかもしれない。


そして、美沙も『出て行く』そう言えずに、誤解と不安の中、日々を送っていた。


もちろん、勘違いされてるとも思ってない逢里は、相変わらず無邪気に要のそばで笑って過ごしていた。


要も、逢里の視線の先が、たまに陽平に行く事を不満に思いながらも、いつもそばに逢里を置き、美沙の動揺を嘲笑っていた。