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第3章 聖域

玄関に入ると、淳子が居た。

直ぐによって来て手当と話を聞いてくれた。美沙もすぐに来てくれ、その日は一日中甘える事が許され、抱っこして一緒に寝てくれたのだ。


それを目の前で見せつけられた要は、自分は甘えられずにいるのにという思いから、より一層逢里が憎たらしく思えたのだ。


逢里が去った後、
1人で裏の屋敷に行った要。

平屋の白い家には女の人が1人で住んでいる。


北大路明奈(きたおおじあきな)
38歳
要の母親だった。
淳子とは大学の先輩後輩で、要の家庭教師を頼んでから、不倫をされ堂々と住み付かれてしまったのだ。