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You were born to be mine
第7章 新章 3話
曲が終わった。
「エエ曲やね……陵ちんはこの曲に何か思い出とかあるん?」
「ん? まぁ……結婚してた頃はこんな感じやったんやわ。生活苦しくて、朝から晩まで仕事して。 けど、愛する気持ちだけはあって…みたいな。」
「ふ~ん……それやのに何で…あ、ゴメン、いい。」
「いや、エエよ。 生活がちょっと楽になってきたら欲が出てきてな、オレが。 ホンマやったら嫁さんに少しでも恩返しせなアカンのに、先に自分のコト考えてしもて…服やら、持ち物やら、小遣いやら。 情けないコトにそれに気付いたのは離婚してから……嫁さんがまとめた荷物見た時やってん。」
「どうゆうコト?」
「嫁さんは自分の為のもの、ホンマに最低限しか持ってなかってん。」
「何でその時踏みとどまらんかったん?」
「そうやな………」
「今でも愛してるん?」
「愛してるよ。 けど、それは女性として、妻としてと違う。 家族みたいな感覚や。 元嫁に何かあったりしたら助けに行く。 あくまで2番目やけど。」
「1番は誰?」
「咲希やん。」
「えっ………サキ!?」
「逆に何なん?そのリアクション。」
「やって……お父さん・お母さんとか、え~と妹とか…」
「咲希は……オレに愛されてる実感ないんか?」
「あるよ、あるけど……」
「けど何なん?」
「サキは1番違うくていい。 陵ちんの側におれたらそれだけで幸せやから。」
「アホ言え。 側におるだけで幸せな相手から1番に愛されたらもっと幸せやろが。」
(///ω///)♪
「……うん。」
咲希はオレの方に向き直ると抱きついてきた。