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第17章 NEXT Level X

服を来て、隣の部屋に戻るとハヤトがソファーで、脚を組みながら待っていた。

「遅いよ琴海！お茶冷えちゃうだろ！」

どうやら、先にお茶の準備をしていた様で、ティーポットに保温カバーが被せてあった。

「ごめんなさい。」

「……早く、座りなよ…。」

少し不機嫌そうに、紅茶をカップに注いでくれた。

テーブルには、別の物も置かれていた。

「あれ…これ…。」

「さっきヤナセが持って来たんだ。琴海と食べろって！珍しいケーキだよな。さくらんぼなんてさ。」

そう…『さくらんぼのショートケーキ』だった。

「ふふ…本当だね…。」

「紅茶はダージリンにしろって！いちいち煩いよな～。」

ハヤトは、不服そうに言ってるけど、否応なしに胸がドキドキしてしまう。

さくらんぼのショートケーキにダージリンティ…セイジだ。

セイジが、買って来てヤナセに伝えてくれたんだ。

ヤナセもきっと心配して、セイジの言った通りにハヤトに伝えたんだろう。

「はい。」

差し出されたダージリンティに口を付けると気持ちが一気に和んでくる。

二人の温かさに包み込まれる気分になった。

ハヤトはフォークをザックリ刺して、大きめな欠片を口に運ぶと

「……旨いな…これ…。」

「そう……本当だね～！」

思わず、「そうでしょ！」と言いそうになった。

どうしよう…ニヤニヤしてきちゃう…。

さっきまで自虐に落ちていたのに、現金なもので一気に浮上してくる。

はぁ…ダメだ……好き…。

自分の中で、セイジへの気持ちが一気に膨らんでいく。