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鬼の哭く沼
第3章 九泉楼
障子にしがみついたまま須王へ腰を突き出した、卑猥な体勢で身体の芯から込み上げる疼きがどうにも止まない。じゅくりと溢れる淫蜜が、腿を伝って足首まで垂れていく。
「すごいな…お前の肉が、熱くて蕩けそうだ。いや、もう蕩けきっているのか。こんなに涎を垂らして…いやらしい身体だな」
「あう…!」
はあ、と熱の籠った吐息が耳朶をくすぐり更に蜜が溢れる。
須王は腰を押し進め、それを竿に満遍無く塗りつけた。熱いぬるぬるとした太い塊が前後に抜き差しされ、先端のカリが香夜の熟れた肉襞を引っ掻けて擦る。隙間無く密着した下半身からは、いやらしい水音がくちゅくちゅと音を立てた。
本能が、与えられた刺激に素直に反応して腰を淫らに揺らす。
「どうした…腰が揺れているぞ」
「あ、あっ…だって…」
「だって、何だ?」
ゆっくり、ゆっくりと割れ目を須王の熱が擦り上げる。その緩やかな動きに焦れて、知らず腰が前後する。艶めかしく揺らめく香夜の腰に、須王は目を細めて笑った。
「気持ち良いか」
「っう…あ…」
「言えば、もっと良くしてやるぞ」
「よ、く……ああ、ふぅ!」
ぐっと腰を突き出され、反り返った肉竿の雁首が香夜の敏感に尖った肉芽を擦り、股の間から飛び出す。思わず喘いで自分の下肢に目を向け、自分の股から突き出した濡れて脈打つ色濃い雄の象徴に目を奪われた。
恥ずかしい、淫らな事だとわかっているのに目が離せない。透明な粘液を垂らして脈打つそれに、女としての何かが溢れてくるのを感じる。
「あ…、きも…っち…ぃ…」
「聞えんな」
差し込まれたまま、香夜を焦らすように僅かにしか動かない逞しい肉竿。わざとらしく尻に腰を密着され、柔らかな肌にざらりとした須王の下生えを感じ首を振って唇を噛んだ。
(ひどい、こんな…)
要求通り口にしてしまったら、きっともう二度と抵抗は出来ない。後はどこまでも、深みへと堕ちていくだけだ。
そう……きっと。
熱に浮かされた頭のどこかで、警鐘が鳴っている。けれど、それに気付いても従うだけの余裕は無かった。