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第3章 九泉楼

「頑迷な奴め」


どこか楽しむような声音で呟く。そして迷う香夜の腰を片手で支え、もう片手をするりと前に回した須王が揺れる乳房を掬いあげてその先端を強く抓んだ。


「ああ…っ、や…あ…、きもち、い…！」


一声。

高く喘いで跳ねた香夜に、追い打ちをかけるように須王は律動を開始する。逃げようとする腰を強く引き寄せ、淫らに蜜を滴らせる肉襞を激しく擦られ悲鳴じみた嬌声が上がった。


「あ、ひあ…っ！やあ、あ…っ」


お互いの肌がぶつかる音に混じり、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が鳴る。香夜のものだけではない、粘度の高い体液が混ざり、泡立ち、太股に垂れて滴っていく。


「あ、あっ…あつい…！」

「ああ、熱い、な…ひくひくと香夜の肉が、俺に吸いついてくる…」

「ん、あ…きもち、い…っ」


全身をうねらせて悶える香夜にのしかかり、押さえこんで動く須王の吐息に愉悦が混じる。荒く熱っぽいそれに、須王もまた同じ快感を追っているのだとわかり胸がざわついた。


（もっと…、）


もっと、触れて欲しい。

身体の奥の疼きは酷く激しくなるばかりで、擦れ合う互いの秘部の熱が切なくて仕方ない。濡れそぼった肉襞、その花弁は淫らな蜜を絡ませ擦りつけられる熱の塊を欲っしひくひくと蠢いた。


「はっ…、もっと…激しいのが好みか？」

「あぁっ…！」


香夜の心の声が聞えたかのように、須王が腰を捩る。ぐり、と痛いほど充血した肉芽が括れた傘の部分で刺激され、腰が大きく跳ね上がった。思わずしがみついた障子の桟を握り締め、指がぴんと張られた和紙に穴を開ける。

背中を覆う須王の身体が熱い。互いの汗と熱で、重なり合った肌が焼けるようだ。他人の汗など、気持ち悪いだけの筈なのに。それなのに、しっかりと抱き締められて伝わる熱に脳はゆるゆると蕩けていく。


「香夜…っ、香夜……」

「や、も……もう、だ、めえ…っ！！」