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悪魔みたいな幼馴染
第9章 09
多分、俺は子供の頃から千紗のことが好きだったのかもしれない。
自分の感情が恋をしているなんて思わなかった。
ただ、幼馴染としての感情だと勘違いしていたんだ。
今千紗にこの気持ちを伝えないと後悔しそう。
「ちぃ!待てよっ!」
咄嗟に部屋に入ろうとする千紗の腕を掴むと、手に持っていた紙が落ちた。
ため息をつきながらそれを拾う千紗。
「何」
1週間ぶりに視線が交わったのに、その瞳は色を失ったように見えた。
「ちょっとでいいから話そ」
「話すことなんてない」
完全に嫌われてる…。
「ちぃ…、頼む…」
「5分だけ」
そう言って部屋に入っていった。
とりあえず玄関に入ったけど、俺って部屋に入っていいんだよな?
靴を脱いでリビングに行くと、千紗はソファに座るところだった。