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悪魔みたいな幼馴染
第10章 10
「俺のせいであの女に呼ばれたんでしょ」
「よくご存知で」
「ごめん…」
「もう少し早く助けに来てくれれば許してあげたけど」
凜空と目が合えば「帰ろ」と言われて手を差し伸べてきた。
手を繋ぐって意味なのかもしれないけど、内心さっきの女の子の事でイライラしてるし手を繋ぐ関係でもない。
持っていたバッグをその手に置くと、案の定違うって顔をされた。
私のバッグを持った手とは反対の手を今度は差し伸べて来るから、それはシカトして歩き出した。
「ちぃ、手繋ご」
「なんで」
「繋ぎたいから」
「やだ」
「…………はい」
帰り道、凜空はあまり声をかけてくることは無かった。
隣で歩く凜空の顔は少し暗くて、本当に子犬にでもなったのかと思うぐらいだった。