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碧い雨の夜に…
第4章 【感情的に……】
「コラ、真面目に聞いてるの」
「俺だって真面目に言ってる、理世が好きだって……おふざけなんかじゃないことくらい一番わかってるだろ?」
「明日にはコロッと忘れてるくせに」
「気不味くなりたくないから……でももうそれするのやめる」
「え…?」
「酔ってても記憶なくしたことなんて一度もないよ、全部覚えてる、理世が何を言ったか、一言一句忘れたことはないよ」
何も反論出来なくなった。
「そっか…」しか言えなくて急に申し訳なくなる。
「今がタイミングじゃないこともわかってるよ、理世の態度見てたらすげぇ彼氏のこと好きなの伝わってくるし、今はまた俺の悪い癖が出ちゃってんだ、酔いに任せてくだらねぇ嫉妬とかして格好悪いな」
ギュッと握られた手はすぐに解けなかった。
言いながらちょっと震えてて
(あ、これマジなやつだ)と察知したから。
「本当、気持ち悪くない?大丈夫?」
俯きながら頷くアキラの手に自分の手を重ねてしまうのは罪だと充分理解している。
とにかくこの僅かだけど震えているのを止めてあげたくて行動に出てしまった。
「アキラは格好悪くなんかないよ、寧ろ格好良過ぎる……何で滅気ないの?こんな靡かない女追っかけてても仕方ないでしょ?腐れ縁ってのもあるけどさ、私がアキラに応えないのはマジで一生手放したくないから」
「えっ…!?」
「酔ってる勢いで私も本音言うね?アキラとはずっとバカみたいに踊っていたい、好きとか通り越して共同体…みたいなやつ?失いたくないの、男女の縺れが一番壊れやすいからさ、そんな馬鹿げたことで私たちの生きる場所を汚したくないんだよね、アキラのこと縛ってるみたいで嫌なんだけどさ、私も……」
「なぁ、それって好き過ぎて付き合えないって言ってるようなもんじゃね?そう解釈して良い?」
「いや、違う、人して好きだよ?」
「俺が居なかったら踊れないんでしょ?」
「踊れるわ!ナメんな!アハハ」
「手放したくないってそういうことだろ?好き過ぎてだろ?」
「好き………アキラのダンスは」
「俺のこと縛ってる自覚あるのに?まだ認めないんだ?」