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碧い雨の夜に…
第5章 【不変的に……】
「嘘だ………理世ちゃんのことどれだけ見てきてると思ってるの?毎日穴があくくらい見てるよ、女のコの日はまだ先だもん」
生理周期も私よりわかってるよね。
優しく抱き寄せて言うまで離してくれないのもわかってるよ。
一番面倒臭い自分になってることも。
ナオの成功を半分喜べてないのが嫌だ。
遠くに行っちゃう気がして。
嫌なくらい拗ねてるんだよ。
「何でもないよ」
「理世ちゃん……じゃ、キスして良い?」
「お腹すいた…」
「1回だけ」
「ん………」
顔を上げたら優しく重ねてきた。
大好きなナオのキス。
舌先が絡む瞬間ゾクゾクする。
どうしよう、何がしたいのかわかんない。
心がモヤモヤして見えなくなる。
自分から遠ざけてしまう。
どこに向けたら良いのかわからない怒りと悲しみ。
「大好きだよ、理世ちゃん、それだけはわかっててね?」
「うん……」
「じゃ、パスタ作るから着替えておいで」
着替え終わるとキッチンに立つナオの後ろ姿をボーッと見ちゃう。
一生懸命作ってくれてる後ろから、今度は私がハグしてしまう。
全部わかってるよって感じで前で重なる私の手を優しくポンポンするの。
そしたら何故か自然と目頭が熱くなってきて。
すぐに気付くのも流石と言うべきか。
火を止めて正面から抱き締めてくれる。
「あのモデルの人とは何にもないよ、お互い恋人が居るし仕事だって割り切ってる……気にしてるのはコレじゃなかった?ごめんね」
「違……わない、もうこんな自分嫌なの、ナオが頑張ってプロの世界で羽ばたこうとしてるのに……何処にも行っちゃヤダって思っちゃう……ごめん」
頬に伝う涙を指で拭ってくれてそのままキスされた。
「はぁ~可愛い、何でそんなに可愛いの?僕は何処にも行かないよ、ああやってちょっとは仕事するけど身も心も全部理世ちゃんのモノだよ、ちゃんと帰って来る、僕にとって理世ちゃんは命と同じだから、理世ちゃんが居なくなったら生きていけない」
あぁ、ダメだ。
眉がハの字になって溢れる。
こんな泣き虫じゃなかったのに。
居なくなったら…とか私も想像しちゃってイヤだと首を振る。