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碧い雨の夜に…
第2章 【本能的に……】





「お〜マジで行った行った、話しかけてるよ」




アングル的にアキラの背中しか見えない。
何か頼み込んでない?
断られてんじゃね?




「アキラ粘ってるっぽいね〜ていうか可愛過ぎて相手されてないんじゃない?慣れてるよ、ナンパとか」




「ねぇ、全然見えないんだけど」




「あっ、アハハ、やっぱ戻ってくるわ、残念だったね〜」




ガックリ肩を落としたアキラが戻って来る途中でチラッと見えた女の子。
千鳥格子のコートに黒のタートルネック、大きなリングピアスが揺れてる、パッツン前髪ってまさか。




「いや〜鋼鉄みたいにガード固かったわ」と言うアキラと皆の前で「ナオ…」と口走った。
もう視界に入ったら周りの声なんて聞こえなくなる。
勢いよく店の外に出てナオの元へ走った。




「ナオ…!」




「リセちゃん、え、もう終わったの?」




やっぱりナオだった。
マスクしてても美人オーラだだ漏れなのは納得。
思わず抱き着いてしまう。
仲間たちも続々と出て来て紹介することになった。




「えっと、私の…」




「初めまして、今一緒に住んでるナオです」




私が言う前に自己紹介しちゃった。




「え、一緒に住んでるって彼氏じゃなかったの?」




混乱する皆の後ろでアキラが頭を抱えてる。
まさか私の知り合いだったとか死ぬほど恥ずかしいんじゃないの?




「あ………いや……」と私の目を見るナオもどうしていいのかわからないみたい。
だから私は最初から堂々と宣言するよ?




「うん、だから、ナオが私の彼氏、子猫ちゃん」




「え…………?」





こうなることはわかっていたよ。
脳が追いついてないでしょ。
見た目は完璧な女の子、声も女の子っぽいしね。




「え、え、そういうこと!?」




「うん、そういうこと」




「リセちゃん、ちゃんと説明した方が…」




「ま、まぁ、理世が幸せならうちら応援するよ」




絶対に勘違いしてるよね。
ナオがその格好で来たってことは女の子として見られたいってことだから別に勘違いされたままでも全然良いよ。




「ていうか何で外で待ってるの?電話もなかったし」




「勝手に迎えに来ただけだし、それ知ったらゆっくり出来ないでしょ?」









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