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碧い雨の夜に…
第2章 【本能的に……】
根掘り葉掘り聞かれても答えることはただひとつ。
“美少年過ぎてお持ち帰りしてしまった”ということ。
本当は最初、完全なる女の子だと思っていたけどそこは敢えて言わなくても良いかなって思って。
すぐに気付いたし、普通に男女の恋愛出来てるわけだから何の問題もない。
写真はない。
まだナオとそういう確認はしてないから言って良いのかわからないし。
私的には大々的に見せびらかしたいくらいナオは綺麗だけどね。
お酒も進んできたところで着信があったのはアキラだった。
お店の中で通話する。
迎えに行くわって聞かない。
仲間たちも“もう理世、彼氏居るからそういうの良いみたいよ〜”て言ってくれたのに店の中に入ってきて私たちの席までやって来た。
よし、一緒に飲もうってなっちゃって、飲むとハイテンションになった後は極度の睡魔に襲われる私は少しだけセーブしていた。
ちゃんとナオの元へ帰れるようにだ。
心配してくれてるし。
女子会の中に無理やり入ってきた男、アキラ。
「ていうかさ、今、店の外でめっちゃ可愛い子が居た!今まで見たことないくらい!マスクしてたけど美人オーラ隠れてねぇよって」
「おう、じゃ、アタックしてこい、玉砕したらお酒付き合ってあげる」
「え、理世?もう酔った?おーい、彼氏は?」
「理世、マジだな?女に二言はないな?」
「あれ〜?アキラひよってんの?」
ついいつもの悪いクセが出てアキラを煽ってしまった。
「ひよってねぇわ、見てろよ」と席を立った。
後に引けない状態だったんだろう。
面白がって皆で隠れて見ることにした。
アキラのナンパが成功するかどうかなんてめっちゃ見ものじゃん。
OKなら良かったね〜となるし、ダメだったんならドンマイってだけだし。
まぁ、笑ってあげるよ。
見た目はイケメンって言われてるんだから後はトーク力だよ。
頑張れ〜!と陰から見守る私たち。
「え、マジで可愛い子居る〜!」と私より先に見た子が言った。
他の子も順番に見て「やっば!可愛い!」って言ってるからどんなタイプかと私も見ようとしたのにアキラが「お前は見るな、行ってくる」と見る前にズカズカと言ってしまった。
アキラ、身体大きいから見えないよ。