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碧い雨の夜に…
第3章 【必然的に……】
繋がったまま前に倒れて抱き締め合う。
肩で息をする私の髪を優しく撫でて。
「リセちゃん………可愛い」
そう言われて顔を上げると
「ヤバい、その顔誰にも見せないで」ってキスされる。
全部独り占めしたいって何度も囁かれて対面座位でしこたまイかされた。
結局、抱っこされて歯磨きしに行った。
ソファーに座って磨いてうがいも寝室に戻るのもナオに抱っこされてだった。
「怒ってる?」
「怒ってないよ、満たされてる」
「………リセちゃん!」
抱きついて離さないナオの腕の中で寝落ちして朝を迎える幸せ。
鼻をチョンチョンされて起きるの。
朝のこの瞬間が好きだって言ってた。
朝が弱い私を起こして一緒に朝食を取る。
ナオの淹れてくれる珈琲が美味しくて飲んだらシャキッとするんだ。
メイクしてる間に髪をセットしてくれる。
美容師さんかと思うくらい器用なナオ。
スタイリストさんから伝授してもらったってその人が男か女か聞く私は自分で嫌になるほど器が小さい。
「女の人だけど、毎日リセちゃんのこと話してるし彼女いるって知ってるよ?全然そんなんじゃないから、スタッフは皆 ジェンダーなのも理解してくれてるから」
「撮影で脱いだりしないよね?」
「え…?脱ぐことはないよ?」
可愛いブラウス着てるけどボタン外して脱がす。
肩が出て戸惑うナオに左乳首の下あたりにキスマークをつけた。
赤くなったの指でなぞってサッと服を直す。
その手を止めてきたのはナオだった。
「もしかして、撮影があるから今までキスマークつけなかったの?」
「……………うん」
え、だって見られたりしたら超気まずいじゃん。
ナオが恥かいてやり難くなったりするのイヤだし。
もう見た目はすでに女の子として完成しているのに胸がはだけて男なんだって嫌でもわかる。
「足りない、もっとつけて?ボクの身体、全部リセちゃんのものだって証明してくれて全然良いから」
「ん………コレで大丈夫、濃いからなかなか消えないかも」
「ボクは……ごめん、背中とか足にたくさんつけちゃった」
うん、知ってる。
だから私も見えないようなコーデで踊るし自分だけがわかってれば良いと思うし。
嬉しそうに笑うんだね。