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碧い雨の夜に…
第3章 【必然的に……】
多くを語らなくてもわかる。
今でこそ昔と比べたらLGBTに関しては認められてきてる傾向もあるけどまだまだな地域や国もたくさんある。
そもそもジェンダーという括りがあるのもどうかと思う。
誰が誰を好きであっても良い、どの性で生きるのかも自由だと。
現に私はナオが女のコだったとしても付き合ったと思うし。
ナオ以外選ばなかった。
少し震えるナオを抱き締める。
背中を擦って「大丈夫」と声を掛けた。
「うん、ちゃんと話してくる……リセちゃん先に帰ってて」
「一緒に居たらダメ?」
「えっ?そりゃ心強いけど……」
「うん、ナオの問題はもう私の問題だから、2人で解決出来たら良いよね」
「リセちゃん……ありがとう」
「初対面、こんな私で大丈夫かな?」
髪色もだけど露出多めでギャルっぽくないかな?
第一印象悪かったらごめん。
「大丈夫!リセちゃんはいつも可愛い、ボクの大事な人だからすぐに人柄もわかってくれるよ、問題はボクなだけで……モデルしてることしか言ってないから余計にショック与えちゃうんじゃないかって」
「事務所の人もそこは内密にしてくれてたんだね」
「ボクが頼んだから……というより、最初のうちはメンズとしてモデル活動してたんだ、途中で女装もするようになって」
「そっちの方がしっくりきたんでしょ?自分らしさを見つけたんならそのまま打ち明けるしかないよ、大丈夫、隣で聞いててあげるし見守ってるから」
「リセちゃーん……」
「よし、行こう」
そうは言ったものの、心の準備が全然出来ないまま対面しちゃうんだよね、ナオ母と。
事務所にも初めて行くし、メッセージでマネージャーさんに2人で行く旨を連絡していた。
「何年ぶりに会うの?」
「えっと、5年ぶりかな」
きっとこの5年は親にとっては長かったんだろうな。
息子に会いたくなるのも無理ないよ。
ちゃんと生活出来てるかとか、人間関係とか、どんな風に成長してるのかとか色々心配してると思う。
うちはママと定期的に連絡取ってるから大丈夫だけど5年も間が空いたら会いに来るよね。
それが親だよ。
で、今日がカミングアウトの日か。