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Biastophilia💋
第1章 Biastophilia
泣き叫び、苦痛に表情を歪めるお客様の姿を可愛らしいと思っても決して可哀想とは思わない。
それよりも理性が効かなくなって怪我をさせてしまわないか、そのギリギリの見極めをする方が大変だった。
その1点だけが難しいと思える職業だったけど、マゾとして仕事をしてきた頃と比べて身体の疲弊も少ないし、女王様こそが私の適職なんじゃないかって思ったの。
そう思い込もうとした。
だけど、はるか昔にバイストフィリアとして覚醒した以上、無理なのよ。
予定調和でしかないこの世界の中で本当の興奮を得る事は出来ない。
調教されるのも、調教するのも楽しくないわけじゃない。
だけど全て、あらかじめ決められている事の中で、尚且つ相手の同意を得ている事。
「今の状況に満足しているわ。とても幸せなの。」っていう自己暗示が、
突如ふっと消えた時、
つまらないって思うの。
AV女優をしていた時から感じていた、私の心の奥底に沈んでいた【悩み】
でも人は誰しも悩みやトラウマがあるでしょう?
同時にそれは人間が呼吸をするように至極当たり前な事で、
人に言えない、酷い性癖が悩みの女なんていくらでも居るわよって。
でもその感情が表に出ると厄介だから、極力蓋をして生きていきましょうって
運命の人だと思っていた、あの男を消してから
そうやって【悩み】を押し殺してきた。