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Biastophilia💋
第1章 Biastophilia
そんな変わり映えのしない毎日を送っていたある日、
女王様として、あるべき姿でM男共を調教していた私の元に、新しいお客様が現れたの。
どんなマゾ男が私を指名したのかと思いきや、初日はSM行為無しの言葉攻めのみを希望されていた。
ソフトSMが好きな方なのかしら?って思いながら、いざご対面して驚いたの。
鋭い三白眼に凛々しい眉、
分厚めの唇の口角は不満気に下がり、足を優雅に組んでベッドの端に腰を掛けていた。
ダークグレーのスーツが良くお似合いで、洗練されているが、マゾヒストには無い威圧感が漂うお客様に私は首を傾げながら近寄った。
そして話の内容を聞いて、私はますます驚愕した。
彼、桐谷 聖司様は、現在ご自分の特殊性癖が悩みの種らしい。その特殊性壁とは、窒息フェチだ。酸欠になった女性の苦しむ顔を見ると征服欲が満たされ、興奮してしまうらしい。
社会人になってから、SMクラブに通い続けて数々のM嬢を縛り上げ、蝋燭を垂らし、失神するまで快楽漬けにしてきた中、お気に入りのM嬢の首を許可なく1度、締めたそうだ。それから性行為の際、首を絞める行為に性的興奮を感じるようになってしまい、危機感を抱いているとの事だった。
加えて現在、妻と小学生の子供も居て、自分が異常性癖を持っている事、SMクラブに通い続けている事は隠し通しており、家庭内ではノーマルな夫を演じているらしい。
その妻とのセックスの最中、万が一自身の性癖が抑えきれなくなった場合、大変危険な為、いっその事、自分をマゾヒストに変えてくれという、身勝手極まりない希望を腕を組みながら、ぶっきらぼうに私に要求したのだった。
鼻で笑いたくなるような悩みだったけど、
優しくマゾヒストとして適切な口の利き方から教えたわ。
「お願い」されると、基本的にサディストはMの要求を断りずらくなる心理があるでしょ?
まずは、その心理を利用しなさい。
賢い貴方なら、きっとサディストに気に入られるようになるわよって。
命令して、上手く出来たら存分に褒めてあげる。
その繰り返し。
サディストとマゾヒストに優劣は無いわ。
だから怖がらないでって教え込んだ。