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激しくしないでっ!
第4章 れっつぷれい!?

「純粋な興味?」


 涼川さんが小さく首をかしげる。

 ああ、本当に、伝わらないのがもどかしい。


「俺のこと……前から見ててくれたんだろ?」

「うん……手首だけ、だけど」


 たとえ手首だけとはいえ、彼女が俺に興味を持ってくれていたことに変わりはない。

 それに対して、俺はどうだろう。

 涼川さんの一体何に興味を持ったんだろう。

 ただ綺麗だから。マドンナだって噂になるくらい美人で、人気ものだから。呼び出されて舞い上がっていたのだって、そういう特別な子に自分が選ばれたのが嬉しかったってだけだ。

 それまで、彼女自身を見ようとしたことなんて一度もなかった。


「俺は……違うんだ。涼川さん自身に興味があったわけじゃない。知ってる? 涼川さん、学校じゃ有名なんだよ。美人だし、大和撫子みたいな雰囲気があるって、実はどこかのお嬢様なんじゃないかって噂もあって、男子たちに人気なんだ」

「私が……?」

「やっぱり疎いね」


 俺は苦笑する。そういうとこも涼川さんらしい。


「そう、アナタが。だから校舎裏に呼び出された時、俺も嬉しかった」
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