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放課後のマドンナ
第8章 小百合の嫉妬
「はい、淳一くん、今日のお弁当」
ピンク色のランチボックスが机の上に置かれた。
尚子の処女を奪ってからというもの
尚子はすっかり彼女気取りで
こうして毎日お弁当を作っては
淳一に差し出すのであった。
淳一の母の美佐恵は
ずぼらな女で
すっかり母としての役割を放棄し
「学食で適当に食べておきなさい」と
お弁当なんてさらさら作る気もなかった。
学食は同じメニューばかりなので
毎日だと飽きてくる。
だから、付き合っているとかは別にして
こうして差し入れをしてくれるのは
とても有り難かった。
「いつも悪いね」
餌にありついた犬のように
満面の笑みで淳一は尚子に頭を下げた。
それを男子たちが冷やかす。
「尚子、いっそのごど淳一の嫁さんにすてもらえ」
「いやだ~、
そったつもりでお弁当作ってらんでねもの」
そう言って尚子は顔を真っ赤にする。
これが毎日のように
昼食時間のルーチンのような会話だ。
ただ一人、
この光景を面白くなさそうに見ている人物がいた
岡 小百合…
淳一の隣の席に座るクラス委員だ。
「そった、すかめっ面で食ってもめぐねべな?」
仏頂面の小百合を見て相葉千鶴が忠告する。
「な、淳一ぐんの彼女だはんでつまんねびょんけど
おどごとおなごが仲がいのはいごどだわ」
同じクラスなんだから
大目に見てあげなよと
まるで恋愛の達人のような口調で小百合を宥めた。
「別さ怒ってら訳でねはんで
それに、わっきゃ淳一ぐんの彼女でもねのよ」
彼女なんかじゃないもの…
そう言ったものの
互いの性器を舐めあった仲なのにと
あれ以来、自分を遠ざける淳一に
小百合は内心ムカムカしていた。