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放課後のマドンナ
第2章 夢が現実に?

放課後の教室には開け放した窓から、
初夏の匂いのする風と
部活動に励む女子生徒達の声が入ってくる。

「淳一くんが再テストなんて珍しいね。
まぁ、小テストだから
成績にそこまで影響しないんだけど…
何かあった?」


『こ、これって夢と同じじゃないか!』

今日の恭子先生の授業で
突然、先生が小テストを実施すると言い出した。

その時点で『あれ?これって…』と
淳一は心踊らせた。

夢では、淳一が低い点数だったものだから
補習を兼ねて放課後に居残りをさせられて
再テストを受けていた。

見た夢と同じように
簡単な問題にも関わらず
淳一はわざと間違った答えを書き込んだ。

するとやはり、恭子先生は淳一に
「放課後、残りなさい」と言い出した。

『やった!やっぱりあの夢は正夢だったんだ』と
心の中で小躍りした。

ただ少し違うのは
再テストをしている時に
答案用紙に正解を書き込む淳一を
恭子先生は椅子を寄せて
隣で淳一の横顔を覗き込んでいることだ。

「やっぱり正解を知っていたのね?
わざと間違った回答をしたんでしょ?
正直におっしゃい」

「ごめんなさい…僕、テストの時は体調が…」

「そんなものは言い訳にはならないの!」

恭子先生は、ものさしで淳一の手の甲を
ピシャリと叩いた。

『あれっ?…夢と展開が違うじゃん…』

淳一は思い描いた通りにならないことに焦った。


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