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放課後のマドンナ
第10章 結ばれる二人

。。。。。。。。

「どか雪になってきたな」

渋滞が発生して深夜遅くに正昭が帰宅した。

「お腹、減ったでしょ?
食事になさいます?」

正昭の脱いだコートを受け取り、
ハンガーに掛けながら美佐恵は何だか楽しそうだ。

「淳一はまだ部屋から出てこないのか?」

いつもなら、
この話題を口にするだけで顔を曇らせる美佐恵が
今夜は、やけにニコニコしていた。

「ん?今夜のお前、ちょっと変だぞ」

「あなた、食事が済んだら
一緒にお風呂に入りましょうよ」

晩酌のコップにビールを注ぎながら
甘えたように体をすり寄せてくる。

「なんだよ…気色悪いな」

あいつの事が心配じゃなかったのかい?
正昭はそう言って二階を指差した。

「あの子…今夜はお友だちの家にお泊まりなの」

「えっ?お泊まりって事はつまり…
部屋から出てきたって事かい?」

そう言って美佐恵の顔を覗き込むと
ついに我慢できなくなったのか
「うふふふ」と笑いだした。

「そうか…やっぱり持つべきものは親友だな」

きっと親友が淳一をすくってくれたのだろう
正昭はそう思いビールを旨そうに呑んだ。

「親友というより…彼女かな?」

美佐恵の言葉に正昭は飛び上がらんばかりに驚いた

「じゃあ、何か?
今夜は…その…つまり…
彼女の家に泊まるってのか!?」

ダメだ!ダメだ!
そんなことは許さん!!

車のキーを手にして淳一を迎えに行こうとした

「野暮なことはやめなさいな
それに、このどか雪じゃ車の運転なんて無理よ」

それもそうかと
正昭はあきらめて腰を下ろした。


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